動画で見る火事と自分の目で見る火事

きょう近所の家で火災があったので、お水をかけてきました。
僕は消防団に所属しています。

消し止めて詰め所に戻り、仲間たちと遅い昼食をたらふく食べて、やっと落ち着きました。

それでさっき帰ってきたのですが、
今回久しぶりに前線まで行って、火災現場の怖さを思い出しました。
普段はそんなこと忘れて過ごしています。

現場に駆けつけていつも最初に感じるのは、異様なニオイ。
火祭りやキャンプファイヤーかがり火、
そういった管理された炎では嗅ぐこと出来ない、いろいろなものが焼けた独特のニオイが周辺に立ち込めているんです。

 

次に煙。
風向きとその強さによっては、あたり一面に煙が広がります。
燃やしてはいけないものを燃やした際の煙。目の痛みや呼吸の苦しさを感じます。
コメント欄に今日の火災で上がった煙の写真を貼っておきます。

 

熱。
実は、熱はそれほど感じません。耐火服を着て手前の火から順に水をかけていくので、それほどでもないんです。

でも一度、燃えている建物の中に入って消火作業をしたときは、気管をとおる空気が温かかったのを覚えています。
でも通常僕たち消防団は、外壁まで燃えてるような建屋に入ることはありません。そこは消防署員さんの領域。

あとは音。
燃えている建物はいろいろな音がします。木造ならバキバキバキバキと鳴ります。
パンという破裂音もします。
消防署が主導して、消火作業の妨げになる屋根やヒサシを壊す音。

無線、サイレン、半鐘、水が壁を叩く音。
ときおり、怒鳴り声も聞こえてきます。
消火用の水を吸い上げるポンプは、エンジン音を響かせます。

光。
昼間はさほど光を感じません。消火作業って屋外でやることがほとんどです。

夜などは炎の光が強すぎて、中心部分は真っ白に見えます。
炎をよーく見てしまうと、視界のそれ以外の場所は真っ黒に黒つぶれしてしまって、しばらく見えなくなります。

消防車の赤色灯がグルグル赤い光を発して、夜は周辺の家や建物まで真っ赤になります。

で、今回なぜこんなことを書いたかといえば、
「最強の伝える手段・動画も、体験には敵わないな」
と実感したから。

「動画を見るより、体験した方が伝わる」
ということです。
テレビのニュースで火事の映像を見ても画面が熱くなるわけないし、煙も出てこない。家が焼けたとき特有のにおいを嗅ぐこともないですよね。

動画も実体験には及ばない。
だけど。
熱も煙もニオイも出さないけど、動画は音と光を発することは出来ます。

だからこそ動画において「音はすごく大事」と言われるし、光が重要なのは言わずもがな、なんですね。

 

「内容が良ければ、音と映像が良くなくてもいいのだ」という説をよく見聞きするけど、
その良い内容をリアルに伝えるための武器は、音と光(映像)しかないんですよ!
と、ここに大きな声で反論したいです。

「音も映像も良くなくていい」説を信じて動画を作って、「やっぱダメじゃん」ってがっかりして欲しくない。

だからこれを読むみなさんも、動画の映像と音には可能な限りこだわるべきです。
あと、火の元には気をつけてね。
でも火事になったら僕たちが消し止めるよ^^
火災が起きたお家の人は、軽いやけどを負って病院に運ばれたけど、元気らしいです。

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